Ikunaga Diary

ぼく、大きくなったら、お豆腐と結婚するー!(๑ᴖ◡ᴖ๑)

読書ログ(2017年4月〜6月分)

3ヶ月分、一気に更新したくせに読んだ本は3冊ぽっち。

やる気出せ!


勝間和代『最後の英語やり直し!』毎日新聞社(2014)

もう時間とお金を無駄にしない! 勝間式〈最終手段〉

よくありがちな「中学校・高校でやった英語をおさらいしましょ~」という本……ではなく、そういう本をいくら買っても続かなかったり、イマイチ実につかなかった人に向けた本です。

中盤に書かれている、アメリカの心理学者ジョナサン・ハイトの「象と象使い」の話はとても興味深かったです。(手短に説明すると、象(感情)と象使い(理性)で進みたい方向が違えば、ほとんど象使いが負けてしまう。象使いレベルで「英語を学ぼう」と考えたところで、象さんはなかなか動いてくれない……という話です。)

後半はこの「象」にやる気になってもらうように、「海外の書籍を日本語訳を待たずに原著で読めるよ」「海外ブランドの化粧品は海外の通販サイトで安価で手に入るよ」など、自分が英語を身に着けたらどうなるのかをたくさん書いています。

終盤にインターネットなどを活用した勉強法について触れていますが、全体的には「語学学習のやる気を出させるための本」という印象です。(あと、勝間氏の自分自慢がやや目立ちます。)

やる気になるかどうかは個人によりますね。私は残念ながらなりませんでした。

最後の英語やり直し!

最後の英語やり直し!


ジョルジュペレック『煙滅』水声社(2010)

“い”段がない!?失踪した男と失踪した“文字”をめぐる、前代未聞のミステリー。

フランス語でもっとも多く使われるアルファベット「e」を使わず書かれた文学作『La Disparition』の邦訳版。なんと、段(いきしちにひみりぎじぢびぴ)を使うことなく訳されたのだ。

無論、段の「音」すら使うことは許されず、例えば「時間(かん)」や「社会(ゃか)」「意味(いみ)」「制限(せげん)」「兄(あ/にい/け)」などは他の言葉への変換を迫られることとなる。

……と、ここまで(説としてやむ負えなく表記した部分以外は)段抜で書たが、他の言葉への転換を迫られすぎたので、ここからは普段通に書いきます。改めて翻訳に感服た。ああ、段が由に使えるっていいですね!

この本は後まで読み切ることなく返却期限を迎えてまったので、また間のあるベンジしです。

煙滅 (フィクションの楽しみ)

煙滅 (フィクションの楽しみ)


司修『魔法のぶた汐文社(1985)

原爆児童文学集(12) 核戦争後の荒廃した惑星。カプセルのなかで生きる少年の見る立体テレビに、ある日、ふたりづれの父子の像がまぎれこんでくる

Twitterで目の当たりにした「10年間探し続けた本がようやく見つかった話」をきっかけに知った本です。児童書ですね。終戦40年の節目として発行されたシリーズのようです。大きな活字でフリガナの振ってあるハードカバーの本を読むのは何年ぶりだろう……。

主人公は〈魔法のぶた〉こと「A3」君。作中の登場人物は英数字で、それぞれニックネーム(〈魔法のぶた〉〈くじら〉〈ふくろう〉〈うさぎ〉〈音楽〉)で呼び合っています。

バーチャルテレビに映る父と子は終始戦時中の話(とくに広島の原爆投下の話)をしています。さすがは原爆児童文学集。非常にリアルに表現されています。私は高校二年生の時に修学旅行で広島へ行き広島平和記念資料館を見学したのですが、そこで目の当たりした展示物や、被爆された方による講話が鮮明に蘇りました。

度々テレビに映り込む父子になぜだか親近感を覚える主人公〈魔法のぶた〉ですが……ラストの急展開は必見です。

戦争を語り継ぐ人も高齢により少なくなり、VRやAIなどの技術がとても身近になっている今だからこそ、色々考えさせられる一冊でした。

魔法のぶた (原爆児童文学集 (12))

魔法のぶた (原爆児童文学集 (12))